私は昨年9月20日、西宮市役所で石井登志郎市長にインタビューをしました。その詳報をこのブログで25回にわたって連載します。毎週火曜日と金曜日に掲載します。
小中学校などの教育施設の建て替えや長寿命化についての石井市長の考えは。
石井市長 「これは大きな問題です。基金が増えていますから、優先して行うべき事業だと思います。ただし、その前にやらなくてはならないのは30年先の街づくりです」
かんの 「どういうことですか」
石井市長 「学校は地域の核です。現在の市立小学校41校と市立中学校20校が30年後もあるのかという問いにも一定の考えを示す必要があります。ただ、将来的な話は市民の皆さんの理解を得るのが難しい。例えば、ある小学校のトイレ改修工事を4年後に予定しているという話をすると、市民から『今の子供たちの教育改善につながらない』と苦情を受けます」
かんの 「市民の皆さんのお考えも理解できます」
石井市長 「担当部局には予算さえ確保すれば、校舎の建て替えや長寿命化計画を前倒しでできるかを聞きました。担当部局からは『設計が間に合いません』との回答でした」
かんの 「それはどういうことですか」
石井市長 「職員が日常業務で忙しいということです。私が市長としての最重要課題に職員の働き方改革をあげているのはまさにそこにあります。営繕部の職員を5人増員すればいいという話でもありません。そういうことではなくて、仕事が本当に多いのか、発注に余計な労力はかかっていないのかという問題です。技術系の北田正広氏を副市長に起用した理由はそこにあります。都市局や土木局などの技術系の業務内容は私にはわかりません。北田副市長には技術職の業務内容を精査してもらおうと思っています。どこがどう忙しいのか、人を増やしたら済む問題か、工夫の余地はないのかという視点で整理していただく考えです。私はそんなことで幹部と毎日、バチバチやっています」
かんの 「市役所の業務について外部委託をさらに進めることはできないのでしょうか」
石井市長 「私はきっとできると思っています。そこをどこまでどうするかということは今年から来年にかけての課題だと思います」