西宮市は平成28年4月に市内の防犯灯を市の直営にする方針です。約2万1000灯の全防犯灯のうち、私道などの私有地にあるとみられる約5000灯は直営化の条件から外れており、この扱いが焦点になっています。
防犯灯は防犯協会の支部や分会を構成する自治会などが所有して設置や維持管理の役割を担い、市はこれらの費用の大半を補助金として防犯協会に支払っています。市は自治会役員らの高齢化や担い手不足などで防犯灯の維持管理が難しくなったことを理由に、直営化を決めました。電球を電力使用量の少ないLED(発光ダイオード)に替えることで費用削減を図ることができるとしています。
市は直営化の対象を公道上の防犯灯に限定しています。その理由について「私有地にある防犯灯をそのまま移管すれば、所有や維持管理をめぐってトラブルが発生する恐れがある」と説明しています。市は私有地にある防犯灯について、できるかぎり公道の電柱などに移したうえで、直営化する方針。公道上に移せない防犯灯の扱いについては、自治会などと十分に協議したいとしています。
市は防犯灯の補助金制度を28年3月末で廃止することにしています。このため、私有地の防犯灯が撤去され、犯罪を誘発する暗い空間が生じないかと危惧する声が出ています。
私は防犯灯の直営化にあたって、地域住民の皆さんの意向を尊重し、地域事情に合った形で進めることを市に要望し、直営化のプロセスを監視していきます。
※写真は防犯灯