私は昨年9月20日、西宮市役所で石井登志郎市長にインタビューをしました。その詳報をこのブログで25回にわたって連載します。毎週火曜日と金曜日に掲載します。
県立西宮病院と市立中央病院の統合問題についての石井市長の考えは。
石井市長 「県と市で今日まで議論を重ねてきた問題であり、統合の方針について基本的に是としています。病院の統合は国策でもあるし、今は若い医師が行きたい病院を選ぶ時代ですから、大きな病院でないと、最新の医療機器や研究環境が整わず、良い医師が来てくれません。その視点で考えると、大きな病院にするのは合理的です。そこについては誰も反対をしないだろうと思います」
かんの 「そうですね」
石井市長 「県立西宮病院と市立中央病院の近隣の住民の皆さんには病院の移転について不安があることを承知しています。統合による整備費や運営費の負担に伴う財政上の問題もあります。しかし、病院を統合するという方向性については多くの市民が賛成してくれると思います。あとは整備費や運営費の負担割合を含めた各論の話です。県との協議をしっかりやっていきたいと思っています」
※⒈兵県立西宮病院と市立中央病院の統合問題とは
兵庫県と西宮市は平成31年1月11日、県立西宮病院(六湛寺町)と西宮市立中央病院(林田町)の統合再編に関する基本協定書案を発表しました。経営形態は県営とし、新病院をアサヒビール西宮工場跡地(津門大塚町)約2.6ヘクタールに建設する計画。1月21日に協定書の締結式を行う予定で、整備に向けた基本計画を策定し、できるだけ早期に整備したいとしています。
協定書案では、新病院について、両病院の稼働病床数(県立西宮病院400床、市立中央病院193床)を合わせた規模を基本にするとしています。診療機能などについては救急・災害医療、合併症に対応できる診療体制や小児・産科医療などを充実させるとしています。
運営は県が行います。建物の整備費と運営費については市も県の負担額の半分を負担します。新病院への市職員派遣や運営協議会の設置によって、市が経営に関与する仕組みも盛り込まれました。運営費などの負担割合は「医療環境が大きく変化した場合は適時、協議の場を設ける」としています。
建設用地は現在、西宮市土地開発公社が所有しており、県が病院事業債を活用して買い取ります。このうち国の交付税措置がない部分は市が負担するとしており、県の実質負担はありません。