阪神甲子園駅前の大型商業施設「イオン甲子園店」(高潮町)が休業することになりました。今年2月末にこの施設と土地を事実上、買収した三菱地所が新たな商業施設として再生させることを目的に施設の一時閉館を決めたためです。休業時期は5月末になる見通し。
この施設は地上6階建て地下2階。店舗は地上3階から地下2階までで延べ約2万5800平方メートル。イオン甲子園店を中核店舗とし、約50の専門店が入居。約1000台収容の立体駐車場もあります。
この施設は平成5年、ダイエーグループが「プランタン甲子園」として開業。7年に「ダイエー甲子園店」に変わりました。平成28年3月、同店の運営がダイエーからイオンリテールに移り、「イオン甲子園店」に変わりました。
施設と土地については東洋不動産や外資系ファンドなどが所有してきましたが、三菱地所が今年2月、事実上、買収。名義上はみずほ信託銀行の所有になっています。
三菱地所は甲子園駅前で阪神甲子園球場にも近いという好立地を生かした収益性の高い商業施設に再生させる計画。施設全体の改装後、スーパーマーケットを中核店舗とし、専門店を入れて地域密着の商業施設にする見通しですが、具体的な内容は未定としています。
従業員についてはイオン甲子園店で約350人、専門店で約300人が働いています。イオン甲子園店のパート従業員は希望すれば、イオングループの近隣店舗に配置転換される見通し。一方、専門店の多くは移転先などのメドが立っていない状態で、失業する従業員が多数に上る恐れがあります。ハローワーク西宮はこの問題を深刻に受け止め、情報収集を進めています。
イオン甲子園店の周辺などには自転車1474台収容などの一時利用の駐輪場があり、甲子園駅前に立地することから多くの市民が利用しています。
私は市に対してハローワーク西宮と連携して従業員の雇用不安について全力で対応するように求めています。そのうえで、①失業する従業員を再オープンする新商業施設で優先的に採用する②改装期間中も一時利用の駐輪場の営業を継続する③再入居を希望する専門店との協議に誠実に応じる―などを三菱地所に要望することを求めていきます。