阪神と丹波の両地域の10市町でつくる野外活動施設「丹波少年自然の家」(丹波市)の事務組合が令和5年度末までに解散することになりました。10市町の間で施設の管理運営費の負担割合をめぐって意見が分かれ、折り合えませんでした。これに伴い、10市町による一部事務組合方式の施設の運営はできなくなります。組合解散後の施設の活用方法は未定です。
管理運営費約1億円の負担については、西宮市を含む阪神7市1町が9割を負担し、丹波市と丹波篠山市は残りの1割を負担しています。9割の負担割合は人口割と均等割で算出され、施設の利用率が加味されていないため、西宮市や尼崎市のように人口の多い自治体の負担が大きく、利用率が高くても人口が少ない市町の負担は小さくなる形になっています。
例えば、令和元年度の西宮市のケースでは、施設利用率は10市町の中で13.82%にすぎませんが、管理運営費の負担金は約2478万円に達し、負担割合は23.31%でした。尼崎市も同じ傾向で、施設利用率は7.80%にすぎませんが、管理運営費の負担金は約2308万円に達し、負担割合は22.24%でした。
このため、西宮市や尼崎市から利用実態に合わせて負担額を見直すべきだとする意見があり、組合で議論してきましたが、妥協点を見つけられませんでした。こうした状況を受け、尼崎市が令和2年2月、令和4年度末をもって組合を脱退したいとの意向を表明しました。これを受け、西宮市は各市町に呼びかけて、打開策を検討する検討会や局長会議を開催して協議を重ねてきましたが、結論を得られませんでした。
丹波少年自然の家は昭和53年にオープンしました。本館や体育館、別館、センターロッジ、ログキャビンがあります。兵庫県は昭和63年度から県下の公立小学校5年生と義務教育学校前期課程5年生を対象に4泊5日の自然学校推進事業を実施しています。各市町がこの施設を自然学校の場として利用しています。
令和元年度の西宮市において自然学校に参加する5年生は小学校41校136学級、4690人でした。このうち33校が西宮市の保有施設である山東自然の家を利用し、8校が丹波少年自然の家を利用しました。西宮市は今後も山東自然の家の利用を中心に自然学校を進め、丹波少年自然の家が閉鎖された場合などは県立施設の利用なども検討するとしています。